「申し訳ございません」
あれ?「表わす」じゃなくて「表す」じゃなかったっけ?
こんな経験はありませんか。
「表す」と「表わす」では、いったいどちらの送り仮名が正しいのでしょうか?
「表す」と「表わす」はどちらが正解?
実はどちらも正解です。
ただ、今は「表す」が本則(世間一般に通用する決まり)になっています。
「表わす」も許容されているため、間違いではありません。
表す:本則
表わす:許容
送り仮名は誰が決めているのか
送り仮名の決まりは、文化庁が決めています。
文化庁とは、文部科学省設置法に基づき設置された国の行政機関です。
文化庁では、文化の振興、促進、普及に関する活動を行っています。それには、日本語教育、国語の施策・改善も含まれます。
送り仮名の通則や許容は、文化庁で決められているんですね。
「表す」と「表わす」の送り仮名の歴史
昭和34年7月11日内閣告示第1号「送り仮名の付け方」では、「表わす」が本則でした。
昭和48年6月18日内閣告示第2号「送り仮名の付け方」では、「表す」が本則になり、「表わす」が許容になりました。
今のところは、こちらの通則は変わっていないため、今でも「表す」が本則、「表わす」が許容になっています。
異論がある「表す」と「表わす」
今は「表す」が本則となっているのですが、昭和48年に内閣告示第2号の「送り仮名の付け方」が発表されるまでに、「表わす」のほうがふさわしいのではないか、という異論もあったそうです。
その理由は、「表す」では「あらわす」と「ひょうす」の2種類の読み方ができるためです。
読み間違えないためにも、「表わす」がよりふさわしいというご意見です。
審議の結果、「表す」が本則になり、「表わす」を許容として引き続き使用できるかたちになったようです。
まとめ
今日は「表す」と「表わす」はどちらが正しいか、について書きました。
表す:本則
表わす:許容
冒頭で述べた例ですが、文字起こしの際に「表わすでお願いします」と言われました。
「表わす」も間違いではなかったんですね。
「表す」を使えば、「あらわす」「ひょうする」の2種類の読み方ができます。
「表わす」を使えば、「あわらす」と間違えずに読めます。
YouTubeテロップなど、パッと見て分かりやすい表示を目指すなら、「表わす」で表記するのも良いかもしれません。
また、講演、会議などの文字起こしをする場合は、本則である「表す」で表記するほうが良いと思います。
ちなみに、記者ハンドブックでは「表す」になっています。
漢字や送り仮名の使い分けに迷ったときは、私は「記者ハンドブック」にそって表記しています。
文字のゆれをなくして正確な原稿に仕上げるために、「記者ハンドブック」を1冊お手元に置かれることをオススメします。
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